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照明の話など様々な情報を発信していきます!

2024.06.19

vol.20[新メンバー紹介!] ~第三弾 佐々木 知穂さん編~

皆さん!またまたシリウスに個性豊かな新メンバーが入ってくれました!
今まで培ってきた経験を活かし、新しい風となってシリウスで頑張って欲しいです!

今回ご紹介するのは、いつも元気いっぱいの佐々木知穂さんです。

佐々木さんは、体育大学を卒業し、介護職や工務店での勤務を経て、
照明デザイナーになりたいという情熱を元に自分で勉強を重ね、
シリウスにやってきてくれました!
「照明デザイナーという仕事に興味はあるけれど、自分は他分野の事を学んできたので無理かな?」と思っている方には、今回の記事を是非読んで欲しいです♪
それでは、どうぞ~。

四方

まず、今まで学んできた事について聞かせてください。大学ではどんな事を学びましたか?

佐々木

実は大学は照明デザインとは全然無縁の体育大学に通っていました。そこでは、保健体育の教職を取得し、社会福祉と養護教諭の勉強もしていました。

四方

おぉ~照明デザイン業界では異色の経歴ですね。卒業後は、どのような職業に就いたんですか。

佐々木

学んだ事を活かして、老人ホームの介護士になりました。
実家が工務店ということもあり、小さい頃から遊び場として建築現場に連れていかれることも多かったので、かえって建築関係の仕事には就きたくないと思っていました。

四方

そうなんですね。どうして就きたくないと思ったんですか?

佐々木

建築関係の仕事では、父を越えられないと思ってしまったからです。

四方

そんな理由だったんですね。
どんな面でお父様を超えられないと感じたんですか?

佐々木

父は大工なので、私が部屋をこういう空間にしたい…とポロっと言うと、すぐに作ってくれました。それが子ども心にとてもすごいと感じて、自分で同じことをする自信がありませんでした。

四方

すごいですね!私もそんなお父さんが欲しかったです(笑)。

佐々木

インテリア自体には、その時から既に興味はあったのですが、特段その道にいきたいとまでは思いませんでした。

最初に就職した介護の仕事では、夜勤も担当していました。
深夜に、入居者さまがお風呂に入る為に使ったタオルや洋服を洗濯してお部屋に届けるのですが、作業の為に廊下の電気をつけっぱなしにするんですね。そうすると、朝だと勘違いしておじいちゃん、おばあちゃんたちが出てきてしまうんです。

四方

あ~光に反応して出てきてしまうんですね。

佐々木

困ったなと思って、ある日、電気を消して作業してみると、誰も出てこないんです。出てきても、「あ~まだ夜ですね~」と言って就寝されに戻られる。そんな体験をしました。
その時が「光って人の身体に作用して面白いな~」と初めて感じた瞬間です。
そこから、照明というものに興味を持ちはじめました。

四方

なるほど!人に対する光の効果から興味を持ち始めたんですね。
医療施設は光がとても大切ですよね。入院や診察結果を聞くのは不安ですから、暖かい光があると安心しますよね。

一方で、佐々木さんがやっていた介護士さんや看護師さんの仕事は、作業をするのに必要な明るさもありますから、両立する照明計画を考えるのは難しいですよね。

最近の医療施設だと働いている人にヒアリングしてから照明計画をする事もあるみたいです。朝と間違えて患者さんが出てきてしまうのも困るけど、医療従事者の人が作業しづらいのも問題がありますよね。

佐々木

そうなんです!!
廊下の電気をつけずに作業する事は出来ますが、作業している時の気分が落ち込んでしまうという問題もありましたね。

四方

確かに。

佐々木

真っ暗な中で仕事していた時は、元気が出ないこともありました。

四方

光によって人間の気持ちはとても左右されますからね。どんな形でも、一日の光の流れを感じる事が出来る方がいいですよね。ということは、介護施設での仕事を通じて光に興味を持ち始めたんですね。

佐々木

はい。同時期に、自分の部屋のリフォームで、父が天井に配線ダクトを付けてくれたのですが、照明は好きに考えていいよと言われました。
「可愛いペンダントが欲しいなぁ~」と思って探していたのですが、これといって気に入ったものが見つからなかったんです。そこで、父の知り合いの建築デザイナーさんに相談した所、その方がヨーロッパからペンダントを自分で仕入れている人で、現地に行ってみれば?と言われたんです。

そこで、思い切って仕事を辞めて、ヨーロッパのマルタ島という所に3ヶ月間、語学留学という名のペンダント探しの旅に出ました。

四方

思い切りましたね!マルタ島に行ってどうでしたか?

佐々木

結論から言うと、マルタ島では、気に入ったペンダントは見つけられなかったんですよ(笑)
ですが、マルタ島で出会った友達に、モロッコならペンダントが沢山あるよと言われて、その1週間後はモロッコに飛びました!
あるお店でペンダントをまじまじと見てたら、そんなに照明に興味があるなら、お気に入りを1個あげるよ!と言われて、それをかかえて日本に帰ってきました。

四方

それを部屋につけたんですね。

佐々木

そうです!今も使ってますよ。お気に入りです。

四方

そのペンダント探しによって、より照明デザインに興味を持ったのですか。

佐々木

そうですね。「照明って面白いな~」と父に話したら、「照明デザイナーっていう職業があるんだよ」と言われて、そんな職業があるんだ!と思い、目指すようになりました。
まずはインターネットで色々調べてみました。そして、この業界は理工学部や美術系の大学出身の人が多いという事を知りました。
建築を勉強しないとダメなのかなと思い、ペンダントの事を教えてくれた建築デザイナーさんに相談した所、知り合いの照明デザイナーさんに連絡をしてくれました。
相談してみると、今からでも建築を学べる学校はあるけれど、せっかく実家が工務店なのだから、現場で勉強してみれば、と言われました。
その方が自分にも合っていると思い、2年弱ほど現場に入って施工の勉強をしました。その時に、電気工事士とライティングコーディネーターの資格も取りました。

四方

すごく頑張ったんですね!じゃあ、もしもの時は現場で電気工事が出来るんですね!(笑)

佐々木

一応出来ますね(笑)。実技試験もちゃんと合格してますから。

四方

現場での2年間は主に電気工事の仕事に携わっていたのですか?

佐々木

父の仕事が大工なので、主な仕事は大工仕事だったのですが、大工の仕事は、照明に関係する作業も思った以上に沢山ありました。間接照明の納まりを作る作業は、今考えると、とても勉強になりましたね。
電気工事がある日は、電気工事士さんに付いて作業させてもらっていました。

四方

その2年間を経て、そのままお父様の工務店で働くという道もあったと思うのですが、そこは違ったんですね。

佐々木

やっぱり、設計がしたいという気持ちが強かったです。元から設計をやる前提で、勉強の為に現場に入ったので、ブレる事はなかったですね。
電気工事士の資格がとれたタイミングで1度シリウスの面接を受けに行きました。

四方

そうか。そこでチーフデザイナーの小林に会ったのですね。

佐々木

そうです。その時にやはりCADが出来ないとダメだという事がわかり、今度は職業訓練校に行き、CADの勉強をしました。CADが一通り出来るようになり、再度シリウスのオープンデスクの面接を受けに行きました。

四方

そこから今の佐々木さんに至るんですね。
照明デザイナーになってみてどうですか。自分が想像していた仕事と比べてどうですか?

佐々木

そんなに大きなギャップは感じていません。
でも、資料を沢山作るという作業は、今まで経験してきた事がなかったので、大変です。

四方

確かに。建築学科やデザイン学科だとプレゼン資料を作る作業は、学生時代にある程度経験してきてますが、佐々木さんにとっては、初めての経験になりますものね。具体的に何が大変ですか?レイアウトを考えるのが大変とか、まとめるのが大変とか、色々あると思いますが。

佐々木

両方大変ですね(笑)。図面を書く事が出来ても、それをどう見やすくレイアウトするか、どの位の文字の大きさだったら見やすいのか、などの感覚がつかめず未だに苦戦してます。

四方

実際、そこは難しい作業ですよ。そんな簡単な事じゃないと思います。でも、繰り返していけばわかってくるはずなのと、時間があれば、次の日の朝にもう一度見直してみることもオススメです。
あと、佐々木さんが見やすいなと思った人が作った資料のレイアウトや文字の大きさをそのままマネしてみるっていうのも上達が早くなるコツだと思います。
一度コツをつかんでしまえば、ここに写真を置くと見やすくなるなどのルールがわかるようになると思いますよ。それが経験値です。

佐々木

なるほど!それ、一度やってみます!

四方

今、照明デザインの仕事で楽しい事は何ですか?

佐々木

私は今、毎週定例があるプロジェクトを担当しているのですが、色々な人が集まって話し合ってどれを優先するかその場で決めるという雰囲気がとても楽しいです。

四方

現場での打合せは、佐々木さんに向いてそうですね~。

佐々木

今思えば2年間現場にいた時の経験値のおかげで、血の気が多い場所でもガツガツ発言する事が出来るようになりました!

四方

現場で直接話すのが楽しいんですね。今の現場が出来上がったら、佐々木さんは成長していそうですね。

佐々木

そうだといいのですが!

四方

今後、どんな照明デザイナーを目指していきたいですか?

佐々木

光に興味を持ち始めたきっかけが介護の仕事ということもあり、安心できる、和める空間を作っていきたいです。
今の時代、生きづらさを感じたり、人それぞれ色んな悩みを抱えているので、心が落ち着く空間を照明の面からアプローチして作ってみたいです。
あと、海外に行ってみて改めて日本って魅力的だなと実感したんです。日本独自の魅力を照明デザインでもアピールしていきたいなと思っています。

四方

確かに日本には独自の「和の灯り」がありますよね。

佐々木

今、私が担当しているプロジェクトは和のデザインで、設計担当の方がとてもそこにこだわっているのが伝わってきて、それも影響してます。

四方

日本のデザインってとても繊細で美しいですもんね。シンプルかつミニマムなところがまさに美。本当の和のデザインって定義が難しいですが。完成された空間に入ると自然と心が癒されますよね。
一見すると気づかないけれど、実はとても細かいこだわりが集積していて、居心地がいい空間になっていて、そこに気づくと奥の深さにまた魅力を感じたりと。

佐々木

はい。癒しの空間を目指しながら、遊び心も忘れずに!みたいな所を目指しています。

四方

今、佐々木さんが担当しているプロジェクトはまさにそんな感じですね。そう考えると、佐々木さんが目指しているイメージを試す事が出来るんじゃないですか。

佐々木

確かにそうですね。

四方

これは竣工後に、佐々木さんが現場にいって居心地がいい!と感じる事が出来たら、1つの正解を得る事になるんじゃないですか。
この器具をこんな風に使ったら居心地がいい光が出来るんだという答えを持つ事が出来るのはいい事です。

四方

今、知識とスキルがどんどんついてきている時期だと思うので、自分に自信をもってぐいぐい頑張って欲しいです。スキルがあがるとやれる選択肢も増えてさらに力がつくチャンスに出会えるので、気がつくと自分でもびっくりするくらいスキルがあがっているかもしれませんね!

佐々木

それはとても楽しみです!

四方

それでは、最後にシリウスマガジンを見ている方にひとことメッセージをお願いします。
今まで違う道を歩んできたけど、照明デザインを目指したい!という人に是非アドバイスをお願いします。

佐々木

今、別の分野に携わっていても、今まで学んできた事や、やってきた事は無駄にならないし、全部自分の力になっているので、目の前にある選択肢で今どうしようか迷っているぐらいならやってみた方がいいと思います。
一歩前に出てみたら、次の選択肢が見えてくるので、踏み出してみないとわからないぞ!と伝えたいです。

四方

いいメッセージですね。気になることがあれば、まずはやってみよう!って事ですね。

佐々木

始めてみると、必要な技術がみえてきます。興味があるなと思ったら、今出来る事からやってみてください!

四方

照明デザイナーに興味をいだいている人もシリウスマガジンをみてくれているので、参考になりそうですね。佐々木さんのように「やってみよう!」という強い気持ちと行動力があれば、他分野からも照明デザイナーになれる!というお話は、勇気になると思います!
今日はありがとうございました。

いや~フレッシュでしたね。
シリウスマガジンをご覧の皆様の中に、照明デザイナーという仕事に興味を持っている方がいれば、ぜひ佐々木さんのように1歩踏み出してみてくださいね~♪
とても素敵な世界が広がっているかもしれませんよ!お待ちしております♪