SIRIUS MAGAZINE

ABOUT

シリウスマガジンでは、最近のお仕事や社内の様子、
照明の話など様々な情報を発信していきます!

2026.09.03

vol.32【 祝 創立21周年!「日本の伝統芸能に触れよう!」~能楽 編~ 後編 】

いよいよ国立能楽堂に潜入したシリウス一同、まずは夜公演の開演前に、みんなで腹ごしらえです。

国立能楽堂の食堂特製スペシャルお弁当をいただき、大満足!

食堂は柔らかい光で包まれており、日本庭園も見え、観劇に向けて心を整えるには
ぴったりの落ち着いた空間でした。

国立能楽堂のマスコットである「般若(はんにゃ)ちゃん」にも会うことができました!
若い世代に能楽への関心を持ってもらうための工夫が随所に感じられ、とても印象に残りました。こうした取り組みが、伝統芸能を未来へつないでいくんですね。

奥に進み、広場に入ると上部に光のスクリーンが現れ、とても印象的でした。
空間のシークエンスが考えられており、能舞台に近づくにつれ精神が整っていくのを感じます。

能舞台の天井には照明器具はついていますが照明演出はありません。
よく「和の光」というと、障子越しに拡散された光や行灯の柔らかな光が代表的なものとされますが、影をつくらない均一な光の能舞台の空間も、「和の光」を象徴しているように感じました。
会場に一歩足を踏み入れた瞬間から、神聖な空気に包まれたのが印象的でした。

所員からは、「難しそうだけど分かるかな?」という声もありましたが、
能楽はまず「考えずに感じる」ことが大事。
雰囲気に浸って、感覚で受け止めるだけでも十分楽しめます。

戸恒も準備万端のようです!

初心者で内容がわからなくても、前の座席モニターに字幕で要約された内容が出ますので、安心してください。

能楽の衣装である「装束(しょうぞく)」は、織りや刺繍などの高度な技術で作られており、とても綺麗でした。柄は主人公や物語に合わせて選ばれています。
ちなみに能面と能装束は、演者さんが講演ごとに自分で選んでコーディネートしているそうですよ!

「地謡(じうたい)」は、セリフ以外の主人公の心情や風景描写、ナレーションを歌うコーラス隊のことです。指揮者はいませんが、お互いの呼吸や間合いを感じ取って歌っています。その歌声を聞いてみてもいいかもしれません。

「舞(まい)」も美しく、ゆっくりとした動きですが、観ていくうちに不思議とじわじわ引き込まれる感覚になりました。

ストーリーを追うだけでなく、目や耳の感覚を使いながら、自分なりの楽しみ方を見つけていくのがとても楽しかったです。

能の謡(うたい)や囃子(はやし)はとても心地よいリズムです。
心臓の音に近いとか、脳からα波が出るなどと言われており、一種の瞑想状態に近いとも言えます。

たとえば能楽を見ながら眠ってしまっても…寝たり起きたりを繰り返していると…
だんだん現実と夢の境目がなくなり…まさに「夢うつつ」状態に!
その状態を味わってもいいかもしれませんね。

近頃、海外でも日本文化がもつ静けさや内省的な考え方が支持されています。
能楽を鑑賞し、あらためて日本文化に触れることで、日本人ならではの感性や思考を学び直し、今後のデザイン業務に活かしていきたいです!

能楽の大切な理念として「幽玄(ゆうげん)」という言葉があります。
もともと和歌の美的理念として用いられた言葉あり、日本の伝統的な美意識の一つです。
そして幽玄とは、「言葉や形には表せない、奥深く計り知れない趣(おもむき)」を意味します。

能楽を大成させた世阿弥(ぜあみ)は「幽玄(ゆうげん)」を、「能が目指すべき理想の境地」としています。
能楽の謡では和歌が多用されています。
つまり、能は和歌の「言葉の幽玄」を用いて、舞台に「立体的な幽玄」を表現しようとしているといえます。

この「幽玄」について体感出来ただけでも、いい経験となりました。

長い歴史を持つ能楽に触れ、所員それぞれが伝統の中から何かを感じ、学びを得ることができたのであれば、企画した私としては嬉しい限りです。

この体験を通して、いざ!照明デザイナーとして、そしてシリウスとして、オンリーワンの提案ができる存在へ。

21周年を迎えたシリウスは、これからも積極的にインプットを重ね、学び続け、進化し続けていきます。

皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
シリウスライティングオフィス一同